左手の薬指に巻かれていた絆創膏。
今は私の指に挟まれている絆創膏。
白いガーゼにはハートに囲まれたアルファベット。
でも、もうはがした。
おまじないを、解いたんだ。
だってもういらないもの。
君はあの子と歩いていて、あの子は私じゃなかった。
君は楽しそうに笑っていて、私はそっと涙を流した。
だから、もういらない。
ああ、でも、もしも許してくれるのならば
絆創膏の妖精さん、一つわがままを言ってもいいですか?
あともう少し、せめてこの薬指の白い痕が消えるまで
彼のこと、好きでいてもいいですか。
恋する気持ちは、簡単に消えてはくれないのだ