この美しい世界に

この美しい世界に
敵うものなど在ろうものか
この逞しい世界に
適うものなど在ろうものか
この清い世界に
叶うものなど在ろうものか
もしあるとするならば
それは何処までも深い愛だろうか
それは何時までも続く友情だろうか
それでもきっとかないはしない
何処までも深い愛など夢物語に過ぎないから
何時までも続く友情など幻想に過ぎないから
でも人は
かなうものを知っている
神でさえ知らないものを知っている
それはたった一度きりの命
その輝きは
永久の命を持つ神になど
分かりはしない
生まれるときの溢れんばかりの輝きを
死せるときの威厳に満ちた輝きを
神は持っていないのだから
そしてそれこそが
この美しく、逞しく、清い世界にかなう
唯一の物なのだろう

私たちは知っている。この世界が、美しいことを。